ただ酒の代償

新たに就職したのは、大手の情報処理会社でした。この会社も2部上場すると言われていました。私が入社したときは既に店頭公開しており、2部上場・1部上場と右肩上がりに成長している会社でした。この会社でも営業職に配属されました。派遣社員の新たな新規開拓でした。企業営業は、新規飛び込みでも応接室に案内されお茶がでてきます。簡単に仕事が取れるわけではありませんが、時流にのったサービスでもあり、それなりに仕事は獲得できました。
そんなあるときのことです。一泊二日で東京主張が決まりました。東京で仕事をしている友人がいましたので、呑みにいかないかと電話をしましたところ、夕方までセミナーがあり、その後その参加者で立食パーティーを予定しているとの事でした。その立食パーティーに参加しないか。ただ酒が呑めるよと言われ、“ただ酒”という言葉が少し気になりましたが、参加することにしました。
開始10分前に到着しましたが、その友人が司会進行役を務めていました。スタートと同時に“本日は関西から友人が駆けつけてくれました。〇〇さん、乾杯の音頭をお願いします”と私の名前を言ってきました。一瞬の判断でしたが、只今ご紹介に賜りました~というよな挨拶ではなく受け狙いをお願いされているのがわかりました。私はお笑い芸人のように自分で手をたたきながら、大きな声で“セミナーお疲れさまでした。本日大阪からきましたが、東京・大阪同じことでも言い方が変わったりしますよね。ひれ肉のことは大阪ではへれ肉っていいます。ヒレカツはヘレカツと言います。ヘレと言っても変な肉ではございませんので安心して下さい。ものもらいも大阪ではメバチコっていいます。メバチコといってもめばちマグロの子供ではございません。マグロの子供はよこわでこれは共通だったと思います。それでは、おいしいごそちそうと共に、名刺交換や情報交換で貴重な時間を過ごしていきましょう。乾杯”このようなコメントだったと思いますが、大いに受けました。でもこの地点で私の本日分のエネルギーは9割以上使い切っていました。
その後、多くの人から名刺交換を求められました。私も関西からきたことがばれていましたので、食事は遠慮していましたが、友人が皿に食事を取って持ってきてくれたことを記憶しています。時間はあっという間に過ぎていき、中締めの時間になりました。この中締めというのは、一旦パーティーを閉めて、帰宅したい人は抜け出して、残りたい人は残るといものでした。この中締めのおんども私に声がかかりました。参加者の中にもう一度、東京大阪の違いの話が聞きたいというリクエストがあったそうです。
私は困ったなという表情をしながら、実は乾杯のおんどは急に言われたので、ひれかつやものもらいの話題をいいましたが、まさに本日東京にきたとき、東京大阪の違いの出来事があり、それを話した方がよかったかなと思っていました。なので、その話をさせていただきました。それは新幹線で東京駅につき地下鉄に乗り換えたときのことでした。
行先案内には次とこんどと表示されtおり、次とこんどでは行先の名前も違っていました。私は、次かこんどかどちらが先なのかわからなかったのです。駅員さんに確認しましたら、“こんどが先だよ、次はその次ということだから後になるんだよ”といってきました。私は、“大阪では先発・次発になっています。その方が解り易いではないでしょうか”といいましたが、“これでいいんだよ”と少し気にしているようでした。
数駅先の目的の駅に着いた時も、同じことを駅員さんに聞いてみました。“すいません、次とこんど、どちらがさきなんでしょうか”駅員さん“こんどが先です。次が後になります”私“大阪では先発・次発になっているんですけど、その方が解り易いじゃないですか”駅員さん“その方が解り易いですね、東京の方が遅れていますね”とにこにこしながら言ってきました。何もそこまで自虐的な発言を求めていたわけではなかったのですが、こちらも知っていて聞いたわけなので、複雑な心境になりました。
というような中締めの前の話をさせていただいたのを覚えています。
今からざっと40年前の話です。ただ酒の代償でご指名いただき、40年後も覚えているのは貴重な体験だったのかなと思います。

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